心理学講座70 遺伝と環境
私たちは知らず知らずに発達しているようですが、そこには大きな要素が2つあります。
それは、遺伝と環境です。
昔から、どちらのほうが重要かという議論が繰り返されてきました。
「発達には遺伝的素因のほうが強く働く」と考える人たちがいます。
もともと持っているものが強く影響すると考えるのです。
最近では、こちらの考えをする方が増えているように思います。
特に、医療の世界ではこちらの傾向があるように思います。
遺伝子のゲノム解析が進んでいます。
ゲノムがわかれば適切な治療ができると考え、研究が進んでいます。
「発達には環境的な素因のほうが強く働く」と考える人たちもいます。
例えば、アレルギー。
アレルギーの遺伝子が見つかり、日本人は90%が持っているといわれます。
しかし、90%の人がアレルギーになっているわけではありません。
そこには、環境的な要因が強く働いていると考えられます。
最近では、遺伝と環境の相互作用としてとられる考えが主になっていました。
でも、先ほどの遺伝子ゲノムの解析が行われるようになって、遺伝的な素因が優勢と考える人が増える傾向にあると思います。
私個人としては、遺伝と環境の相互作用と考えています。
ただ、環境的な要因を重視しています。
遺伝論になってしまうと、対処のしようがないからです。
環境の影響は変えていくことができます。
その結果、悩みの解決に導くことができるからです。
カウンセリングを行う上では、環境的な要因にもっと目を向けたほうがいいと思います。