心理学講座161 状況を混同していませんか?

あなたは状況を混同していませんか?

同じものでも状況が変わると違ったものに見えたりします。
また、異なった状況同士を類推や推理をしてしまい、混乱したりしてしまいます。

例えば、上司に怒られたとしたら、あなたはどう捉えますか?
人により様々だと思いますが、次のような方もいます。

上司に怒られたから、もうだめだ。
自分はクビになるに違いない。
クビになったら、家族共々、路頭にまよってします。
そうなったら、死ぬしかない・・・。

これは明らかにおかしいです。
しかし、本人はいたって筋が通っていると考えてしまいます。
端から見ていると現実と推測を混同しているのです。

発達段階的に考えると、これは、前概念的思考の段階とよばれます。
だいたい2~4歳頃までです。
この時期は、具体的行動がようやく意識されるようになります。
行動を通して言葉の意味を理解したり、言葉で表現したりするようになるのです。
ただ、この時期は、言葉が概念として成り立っていません。
いくつかの同類のものを1つのもので表してしまうのです。
ですので、同じものでも状況が変わると別のものと捉えてしまうのです。

「月が大きくなるのは、自分たちが大きくなるのと同じ」
「テレビが壊れたのは、テレビの中の人(例:芸人など)が暴れたから」

このように考えてしまうのです。
状況が違うものを結びつけてしまいがちです。

大人になってもこのような状態の方は発達段階的には4歳ぐらいのこどもと同じなのかもしれませんね・・・。