心理学講座163 具体的に見ないとわかりませんか?
私達の思考は成長とともに発達していきます。
最初はいろいろなものを行動しています。
それが、見たものを正しいとする段階になります。
その次の段階が具体的操作の段階といわれます。
この段階は7~12歳くらいです。
だいたい、小学生のあいだです。
具体的な対象や経験に対して、論理的に考えることができるようになります。
見た目の知覚だけに左右されることはなくなります。
ただ、この時期は具体的な対象が必要です。
例えば、棒を長い順に並べるのは簡単にできます。
しかし、次のような文章になると難しいのです。
「太郎君は花子さんよりも背が高い。次郎君は太郎君よりも背が低い。3人の中で誰が一番背が高いでしょうか」
こういった言語のみでの思考がまだ難しいのです。
小学校の高学年になると算数で文章題が出されるようになります。
そのときは、まだこの段階にいるので、なかなか問題を理解することができにくいのです。
その時できなくても、成長していくことで解けるようになります。
でも、「できない」「難しい」といったイメージが残ると中学校になったときに引きずります。
できなくても、マイナスのイメージにならないよう、親や教師は対応していって欲しいと思います。