心理学講座99 客観と主観の発達
子供の成長を見ているとびっくりします。
特に、たまに会うお子さんは一気に大きくなったような気がします。
私が担当した頃は赤ちゃんだったのに、結婚のお葉書をいただいたりするとびっくりしてしまいます。
子供心身の発達はいろいろな角度から見ることができます。
その一つに客観と主観、という側面があります。
これを基準として、発達段階を研究された先生もいらっしゃいます。
1.身辺生活時代:0~3歳 → 客観化
家庭を中心に狭い世界に生活しています。
知識の範囲も身辺の事柄に止まっています。
2.想像生活時代:3~7歳 → 主観化
家庭外で友達と遊びたがる時期です。
語彙が急速に増加して、想像ができるようになります。
想像を自由に展開してくれる童話を好みます。
想像力を必要とする「ごっこ遊び」を楽しみます。
また、この時期は第一反抗期でもあります。
3.知識生活時代:8~14歳 → 客観化
ものごとを客観的に考えるようになります。
人をためすような態度が出てきます。
サンタさんのような超現実的な存在を信じなくなります。
知的工夫によって婚案を解決していくよな探検小説などを好むようになります。
子供同士で行動するのが楽しい徒党時代でもあります。
4.精神生活時代:14~22歳 → 主観化
自我意識が強くなります。
個性が強くなります。
科目などに対する好き嫌いも著しくなります。
物事を根源的に、原理・原則から考えるようになります。
自分の人生観・世界観を持つようになります。
5.社会生活時代:22歳~
就職や結婚を境にしてこの時代に入っていきます。
理想主義的な考えから抜け出し、現実的・妥協的に考えるようになります。
このように時代により、客観化と主観化が発達していくのです。
学校の学習などもこれに合わせて行うことがポイントだと思います。
客観化できない時代に客観的にものごを見せようとするのは難しいです。
その子の成長に合わせて、学習させていくことが重要です。