マズローは欲求には段階があると唱えました。
1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.所属と愛の欲求
4.承認の欲求
5.自己実現の欲求
生理的欲求や安全の欲求が満たされると所属と愛の欲求を求めるようになります。
この欲求は次のようなことを意味します。
・情緒的な人間関係
・他者に受け入れられている
・どこかに所属しているという感覚
などです。
この欲求が満たされないと、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
そして、うつ状態になりやすくなります。
その上、所属と愛の欲求が十分に満たされると、生理的欲求や安全の欲求を克服すすることもあるといいます。
被災された方はまずは安全の欲求の充足を求めます。
福島の原発近くではまだ、最下層の安全の欲求も満たされていないと思います。
避難所の生活をされている方々はまだ、食事や睡眠、排泄などの生理的な欲求も満たされていない方も多いと思います。
まずは、優先されるのはこういった欲求を満たすことです。
地域や人によっては、この第3段階の所属と愛の欲求段階に入っているかもしれません。
みんなで力を合わせて、復旧・復興に望むことが所属や愛の欲求の充足につながると思います。
これから、心理的なフォローの問題が上がってくると思います。
しかし、闇雲にカウンセリングを行えばいいというものではないと思います。
まだ、第二段階にいる方にカウンセリングを行うことは時期尚早です。
そして、第三段階に入っていても再建などを中心に所属と愛の欲求を充足させようとする人もいると思います。
話がしたいという欲求がある方にのみ、カウンセリングを行って欲しいと思います。
海外では、こういった災害の後、カウンセリングを行ったため、かえって精神状態を悪くしたというケースが見られます。
ぜひ、状況を見極めて行っていただきたいと思います。