心理学講座141 細かいところを見ることができますか?

あなたは細かいところを見ることができますか?

実は見ているようで見ていない、なんてことがあるのではないでしょうか?

幼児の頃は、細かいところをほとんど見ていません。
全体的な雰囲気や前後の関連で見ているのです。
年齢が進むにつれて部分を見たり、識別したりすることができるようになるのです。

例えば、乳児は母親を識別できないことがあります。
普段と違う服装(礼装など)になると母親とわからないことがあります。
乳児は母親を全体として見ているからです。
目鼻立ちや体格など部分的な特徴で見ていないのです。

全体から部分を見ることができるようになるのは実は難しいです。
6歳頃になってようやく見られはじめます。
10歳くらいでも見慣れない図形から特徴を見いだすのは難しいです。
10~13歳の間で急速に進歩し、17歳頃まで発達していきます。
ですので、算数や数学での図形の問題は早くて5年生くらいからはじめたほうがいいのです。
今の教科書はちょっと早いかもしれません。

といっても、大人になっても部分を見ることが難しいです。
妻の髪型が変わっても夫は気がつかないことがあります。
細部を見ていないからです。
いわれて初めて気がついたりします。
大人になっても細かいところを見ることは難しいのではないでしょうか・・・。